2013年11月17日日曜日

日々の糧

一生に後何回食事ができるか。
そのうち何回に満足できるか。
腹を満たすための食事か。
妥協した食事か。
心を満たしうる食事か。

手打ちの拉麺店に行った。
地元では有名であり、昔からある店だ。これで二度目である。

五目拉麺を注文し、出来上がりを待っている間はちょっと待たされる。
しかしその間も店主が黙々と麺を延ばし、おかみさんがさっと茹でるための湯を足したり
麺を湯からあげたりと狭い厨房内で
縦横無尽に動く。
一杯の拉麺が目の前で麺から出来上がっていく様を見ているのは楽しい。

五目拉麺一杯1000円
餃子一人分8個800円。
安くはない。

しかし、この一杯の拉麺、ひとつの餃子は間違いなく人の手で作られている。目の前で作られている。
餃子の皮も手作りであり、一個の餃子の皮が分厚くてぷりぷりしている。
そして、五目拉麺の野菜を炒め、スープを作る時もご主人が味を見ていたことに気付いた。何十年もやっているであろうが味を見ていた。
当たり前と言われたらそうかもしれないが、この一回の食事に対する
店なりの誠意に見えた。

そんな一杯が美味しくないわけがない。心から満足したし、値段も高いとは思わず当然の対価に思えた。

こういう食事を一日に一度でもとれたら幸せだろう。ファーストフードや出来合いのものが悪いとは言わない。
値段も手頃で、味も悪くない、企業努力の結晶である。

どんな食事であったとしても、美味しかったねと店を出た後も会話に出てくるような…そんな食事をとれるよう日々の食事を選びたいし、そんな食事を提供していただけることに感謝したい。

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