私は寝て過ごし、彼らは必死に過ごす。
そして自分は報われないと思う。
もはや何を言っているのか。
そういう人間を愚か者という。
備忘録として記載しておく。 必ず舞い戻る。 「アントニウスよ。女は「だから」に身をゆだねる。男は「なのに」に身を焦がす、そういう生き物であるとは思わぬか。 いかなる怒り、いかなる力が元老院にあろうとも、我々は取り拉ぐ栄光を彼らに許すわけにはいかんのだ。 我々はガリアの地における成功で安住の余生が送れるという理由で元老院に膝を屈し慈悲を請い、彼らが勝利に奢り、喜びの情に溺れ、支配権をほしいままにする圧政者としてローマを掌中に収める姿を横目に見るわけにはいかぬ。 支配者には名誉と責任は同じくらいつきまとうものであり、他人以上に名誉ある地位につけば、それだけいっそう危険に身をさらす責任もあるはずだ。 そこに暗澹たる戦火が待ち受けていようとも、今こそ我らの信念の火を灯さなければならんのだ。 ここを渡れば人間世界の悲惨、渡らなければわが破滅。 進もう、神々の待つところへ! 我々を侮辱した敵の待つところへ! 賽は投げられた!」 |